痩せない原因は、ダイエットやエクササイズではない。初めて明らかになった痩せる化学

 

なぜダイエットが効かないのか

 いくら頑張ってダイエットしても、いくら汗水かいてワークアウトしても、痩せない、痩せてもすぐ体重が戻ってしまう、そんな体験は多くの人が経験していること。一生懸命頑張っても、すぐにリバウンドしてしまう人も多いはず。それもそのはずで、痩せるためには「ダイエットと運動」という決まり切った考えから、最近はまた違った要素が考慮されるようになってきています。

 それは人の体の中に生息する微生物叢による考え方。つまり、microbiom マイクロバイオームという体内の細菌の役割を研究する医学分野です。体内細菌の数は100兆以上あり、人の細胞の数よりも多いぐらいで、数にすると東京都の人口の3倍にもなるとか。(1)

 しかもその数の多さだけでなく、その種類は1000種類以上。種類の数やその分布の仕方も一人ひとりユニークで、指紋のようにそれぞれ異なります。それらは単に「悪玉菌」「善玉菌」といった単純な分け方では説明できないほどの深いメカニズムがあると考えられています。

 

エコシステムのような環境

 これらさまざまな細菌はヒトのカラダの中で、互いに働きながら、まるで森や植物ガーデンのような、エコシステムとしての環境を形作っていることがわかってきました。

 これらの細菌の役割もさまざま。たとえば、ビタミンB2・B6・B12 、パントテン酸、ビオチン、ビタミンK等のビタミンを合成したり、男性ホルモン、女性ホルモン等のホルモンを産生したり、またはインシュリンホルモン様物質を産生して血糖の調整をしたり等々。

 さらにあるものは食べ物を分解し、必要な栄養を取り出し、あるものは食欲を抑制したり刺激したりする役割を果たし、またあるものは脳への刺激を働きかけて気分を沈めたり、興奮させたりと、腸の中にありながら直接脳へと繋がっていることもわかってきました。

 面白いのはこれらの細菌の中には、体重や食欲をコントロールする働きがあるものがあり、その特定の種類の細菌を持っているかいないか、またどれくらいの数持っているかどうかで、ダイエットと体重との関係にも大きく影響を及ぼすことがわかってきたことです。

 

太るも痩せるも体内細菌で決まる?

  アメリカで行われた実験で、この体内細菌がいかにウェートコントロールに関係するかを調べた面白い調査があります。オーバーウェートな人から取った体内細菌とスリムな人から取った体内細菌を、細菌フリーの実験動物(ネズミ)にそれぞれ移植したところ、オーバーウェートな人から取った体内細菌を移植されたネズミは太って行って、同じものを同じだけ食べていてもとスリムな人から取った体内細菌を移植されたネズミの体重は増えませんでした。

 同じものを食べても片方は太る、もう片方は太らない。体内細菌によってその現れ方が明らかに違うことが注目を受けました。(2)

   ある種の体内細菌は、食べ物のカロリーを効率よく消費させるのを助け、また別の種類の腸内細菌は病気に対する抵抗力を助ける役割を果たすなど、その働きは実にさまざま。

 さらに腸内にある細菌はベガスナーブという神経回路を通じて、脳の働きとも密接に繋がっていることがわかってきています。例えば空腹感などについても、腸内最近の種類や多様性に関係して大きく変わってきますし、さらに腸内細菌の状態がうつ病やADDの原因にさえなっていることがわかってきました。

 

 体内細菌の多様性が鍵

 マイクロバイオームの研究はここ10年の間に急速に進んでいるものの、まだまだ謎の部分が多いと言われています。確かに言えることは体内細菌、特に腸の中の細菌の種類が多用的でしかもその数が多いほど、体の免疫力を助けることです。

 腸内細菌の種類や数を増やす食べ物としては、やはり発酵食品が一番。納豆やキムチ、味噌などの発酵食品を摂ることの他に、これらの細菌が喜ぶ食べ物:食物繊維の多い野菜や海藻類を多く摂取しすることです。"It takes guts"というドキュメンタリー映画によると、毎日の食物繊維摂取量を1グラムごと増やすことで平均して2キロの体重減少に繋がる結果が出ています。

 イギリスの医師、ティム - スペクターが行った実験によると、ファーストフードを数日食べ続けただけでも、腸内の細菌の数や種類が40%も減ってしまうことに。 それによって腸内環境のエコシステムとも言えるバランスが偏り、さまざまな障害の原因となります。つまり毎日の食べ物がいかに大切かということがわかりました。

 また精神的なストレスによっても、体内のエコシステムのバランスが大きく変わることや、また赤ちゃんも、生まれてから母乳で育った赤ちゃんと、人工ミルクで育った赤ちゃんでは、体内細菌の状態やバランスが大きく違っていることが明らかになってきています。

 カナダでの研究によると1歳の誕生日までに抗生物質を与えられた赤ちゃんは12歳になった時点で肥満率が2倍にも登ったことが報告されています。 

 それではこの分野において、今これから私たちに何ができるのか。数々の研究者から推奨されている事柄についてまとめてみました。

1.  抗生物質を乱用しない。抗生物質は体に有益な細菌にも影響を与えてしまいます。

2.  発酵商品を多く摂るようにする。 

3.   prebiotics (=腸内細菌が喜ぶ食べ物) 特に食物繊維を多く摂る。 

4.  バラエティに富んだ食材を食べるよう心がける。

5.  適度な運動やヨガ、瞑想などで心の疲れを取り去るよう心がける

6.   水以外に何も摂取しない時間帯を保つ断食、半断食をして、circadian rhythm (概日リズム)に基づいた食事をする。(これについてはまたこのブログで追ってお知らせ致しますね)

7. 規則正しい睡眠時間をまもる。

 

まとめとしてはカロリー制限だけでは説明できない体のメカニズムについて知ること。体の中に生息する細菌叢、微生物叢全体細菌が、多種多彩で美しくバランスのとれたエコガーデンのような状態になることを目指すことで、免疫性の強い健康な体を作ることができます。

  

 (1)Dr. William Li著 Eat to Healの文献による

 (2)"It Takes Guts" Siceinece Researcher Ed Youngによる


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